ダニ対策のすべて。布団やカーペット、正しい駆除と予防を紹介!
アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎といった、つらいアレルギーを引き起こす原因になるダニ。子どものためにもできる限りおうちのダニを駆除して予防したいけれど、正しい対策がいまいちわからない……という方は多いのではないでしょうか。
今回はそんなダニの発生環境や危険性、正しい駆除と予防方法について、詳しくご紹介していきます。
敵を知る。ダニの種類や発生環境、危険性とは?
そもそも、ダニはどのくらいの種類がいて、どんな環境だと増えやすいのでしょうか。「布団やカーペットに多い気はするけど……」と、ぼんやりしたイメージしかない方も少なくないかもしれませんね。
ダニの駆除・予防方法の前に、まずは家に発生するダニの種類や発生環境、危険性について知っておきましょう。
家に発生するダニの種類
私たちが暮らす住環境には、バクテリアや真菌といった多くの生物が存在しますが、最も多い節足動物としてあげられるのがダニ類です。
野外に住むダニ以外に、室内のみでみられる種類も多く、ハウスダスト・保存食品が発生源となります。ここでは、特に室内での生息数が多く大量発生に注意したい3種類のダニを紹介します。
チリダニ(ヒョウヒダニ) | コナダニ | ツメダニ | |
---|---|---|---|
発生場所 | カーペットやソファなど | 保存食品の容器、畳など | カーペットや畳
室内塵中 |
餌 | フケや垢、ホコリなど | 保存食品
畳の藁など |
チリダニやコナダニ、チャタテムシなどほかのダニや小昆虫類 |
・チリダニ(ヒョウヒダニ)
室内環境で最も多く見られる種類であるチリダニ(ヒョウヒダニ)は、ほぼ全ての家に生息していると言っても過言ではありません。人を咬んだり吸血することはなく、家のカーペットやソファなど、人が生活する場所に最も多く生息しているダニで、フケや垢、ホコリなどに含まれるたんぱく質を餌としています。
チリダニ(ヒョウヒダニ)の一番の問題点は、その糞、虫体、死骸、脱皮殻がアレルギー疾患の最大の原因(アレルゲン)となることです。
・コナダニ
チリダニと同じく人を咬んだり吸血することはありません。コナダニは調味料、菓子、小麦粉などの保存食品から発生する事例が多いですが、家の畳からもまれに大発生します。チリダニよりも増殖率が高いので、高温・高湿度など好適な環境では大発生する危険性があるのです…。
・ツメダニ
家のカーペットや畳、室内塵中に生息するツメダニ。他のダニ類を餌とする捕食性のダニのため、それらの餌が増えることで、ツメダニも増殖します。吸血はしないものの、偶発的に人を刺すことがあります。
ダニが発生する時期や環境は?
ダニは夏場に増えるというイメージがある方は多いかもしれません。しかし、ダニの種類によっては年中発生するものや秋を好むものも。チリダニ(ヒョウヒダニ)は一般的に高温多湿の時期に密度が増加しますが、各家庭の生活様式によっても発生パターンは変わってくることがあり、秋冬でも個体数が多い場合もありえます。
コナダニはチリダニ(ヒョウヒダニ)よりも高湿度を好み高温多湿期に大発生することがあります。ツメダニはチリダニやコナダニが増えたときにこれらを捕食して増加することがあります。
アレルギーや痒み、喘息の原因に……
おうちの中でこれらのダニが増えると、一体どんな被害が出てきてしまうのでしょうか。
まずチリダニ(ヒョウヒダニ)は、そのフンや脱皮殻、死骸に含まれる特定の成分がアトピー性皮膚炎や喘息といったアレルギー性疾患の原因となってしまうことがあります。
コナダニは通常小麦粉などで増えますが、チリダニ(ヒョウヒダニ)は小麦粉では増えないとされていました。しかし近年はお好み焼き粉のように小麦粉にうまみ成分が入っているため、チリダニが食品の中で増殖することがあります。パンケーキ粉やお好み焼き粉などで増殖すると、ときに1gあたり20,000匹を超える密度で繁殖することも…。そのことに気づかず調理し食べてしまった方の中には、高濃度のダニアレルゲンによってアナフィラキシー症状を示す症例が確認されています。
ツメダニは衣類の中にまで入り込んで人を刺すことはありませんが、半袖・短パンで畳などに横になった際に、偶発的に露出部を刺され、刺咬症の原因になることがあります。
目に見えないだけに、どこでダニを体に取り込んでしまったのか、刺されてしまったのか、症状が出て初めてダニを意識する方は少なくないでしょう。ダニの危険性をしっかり把握し、発生場所への注意や対策が重要になります。
ダニはおうちのどこにいる? 発生場所と注意点
ではいったい、ダニはおうちの中のどんな場所に潜んでいるのでしょうか。リラックスできるはずの場所にダニが……? と考えるとちょっとゾッとしてしまうかもしれませんが、ダニの発生しやすい場所を知ることは、きちんとした対策につながります。
寝具(布団/マットレス)
高温多湿を好むダニが多く潜んでいるのは、布団やマットレスといった寝具類です。就寝時に布団の上で寝返りを打ったり、朝や夜に布団の上げ下ろしをするたびに、アレルゲンとなるダニの死骸やフンが舞ってしまいます…。
布団たたきで布団をはたくことでダニ対策をしている方もいるかもしれませんが、布団をはたく行為は、むしろダニの死骸やフンをばらまいてしまう可能性があるのです。
寝具類のダニを除去・予防するためには、2~3カ月に1回の頻度で、コインランドリーなどの高温乾燥機で寝具類を30分ほど乾燥させるのがおすすめです。ダニは50℃の環境ではほぼ20分で死亡するのに対して、40℃の環境では6時間以上暴露されても死滅しないことが確かめられています。天日干しで布団の内部を50℃以上で20分維持することは難しいため、天日干しでダニを駆除する効果は期待できません。しかし布団を乾燥させるとダニがすみにくくなる効果はありますので、天日干しはダニ対策に効果的とはいえます。
ダニの死骸が残ったままになるのを防ぐため、天日干しや乾燥のあとは必ず寝具の表面にしっかりと掃除機をかけるようにしてください。
カーペット
高温多湿になりやすいカーペットは、寝具類と同じくダニが好んで潜む場所のひとつ。ダニの駆除のためにはやはり高温乾燥させるのがいいのですが、カーペットは寝具類と違って洗ったり乾燥機にかけたりできないものも多いかと思います。掃除機がけはダニの餌である埃や食べ物カスを取り除いてくれる効果があり、ダニの増殖を間接的に抑える効果が期待できます。
ソファ
食べかすや人のフケ、垢などが溜まりやすいソファも、ダニが潜みがちな場所です。洗うことのできる布製のカバーがついている場合は、それをこまめに洗い、ソファ本体にも掃除機を丁寧にかけるようにすると、ダニの駆除・予防に効果的です。
畳
畳もまた、人のフケや垢、食べ物のカスが散らかるダニの発生しやすい場所。畳のダニ対策は、カーペットと同様に掃除機がけが手軽にできる対策方法です。しかし深部の藁にコナダニが発生している場合、掃除機をかけてもやがて白い粉をふいたようになり(これはコナダニが畳表面に出てくることによるものです)、畳の乾燥が必要になります。費用がかかりますが、畳乾燥車をもっている業者に相談されるのもひとつの方法です。
ダニの駆除には注意が必要
ここまでダニの発生場所や対策について紹介しましたが、ダニの駆除には手順があります。注意しなければいけないのが、掃除機はダニの死骸やフンはよく吸い取りますが、生きているダニにはあまり効果がない……ということ。
生きているダニは、布団やカーペットなどの繊維にしがみついて、掃除機にはほぼ吸引されないのです。必死におうちの布団やカーペットにしがみついているダニを想像すると、ちょっと恐ろしいですね……。
そのため、ダニの駆除では、まずダニを確実に死滅させてからその死骸を掃除する、という2ステップが重要です。
本当に効果的なダニ対策と予防
前の項で、ダニを駆除するためにはまず、生きているダニを確実に死滅させるのが大切だとご説明しました。では、もっとも効果的にダニを殺すことができるのはどんな方法なのでしょうか?
くん煙剤を使用し、徹底掃除
生きているダニの駆除にもっともおすすめなのが、「くん煙剤」の使用です。くん煙剤は、水や煙の力で殺虫成分を部屋の隅々まで行き渡らせ、ダニはもちろん、ゴキブリやノミといった害虫の息の根もしっかりと止めてくれます。
商品にもよりますが、煙が出るタイプは効果が出るまでおおよそ2~3時間かかるため、使用している間はお部屋を閉め切って外に出るようにしましょう。
くん煙剤の使用後は、目に見えないダニも含め、たくさん死骸がお部屋の中に残ってしまっている状態です。そのままおうちの中でくつろいでしまうと、アレルギー反応が起こってしまうこともあるため、ドアや窓を開けて十分に換気をおこなったあと、床や畳、カーペットなどに丁寧に掃除機をかけましょう。
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ダニが発生しない環境を保つ
くん煙剤の使用は、梅雨の時期から秋ごろにかけては月に1回、それ以外の季節は2~3か月に1回を目処にするのがおすすめです。
同時に、ダニが発生しにくい環境をできる限り保つことも大切です。ダニの発生源となる床面のホコリ除去や寝具の定期的な洗浄、おうちの中が高温多湿の状態にならないよう、できる限り換気し乾燥を維持するといった日常的な管理を心がけましょう。
ダニ対策にはバルサン!
バルサンのくん煙剤は、使用方法をきちんと守れば、小さな赤ちゃんやお子さんのいるおうちでも安全にお使いいただけます。大切なお子さんと家族の健康を脅かすダニをしっかり退治して快適なおうちにするためにも、ダニが増える時期は特に対策を欠かさないようにしましょう!