抗ウイルス成分「クロラス酸」の新型コロナウイルスに対する
不活化効果を確認。
クロラス酸を新型コロナウイルスに接触させると30秒で
検出限界へと感染価が減少。
レック株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:永守貴樹)は、奈良県立医科大学医学部と共同で、抗ウイルス成分「クロラス酸」の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する不活化検証試験を行い、その効果を確認しましたので、下記の通り発表いたします。
試験概要
研究の目的 | 抗ウイルス成分「クロラス酸」が、新型コロナウイルスに対しても不活化効果が認められるか明らかにすることを目的として実施 |
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試験機関 | 奈良県立医科大学医学部 微生物感染症学講座 |
試験方法 | ①「感染価の測定」消毒剤の評価法ASTM E1052に準じて、次の手順で抗ウイルス効果を評価しました。ウイルス液1に対し試験品9の割合で混合し、表1の作用時間で接触させました。反応時間後にチオ硫酸ナトリウム入りSCDLPで希釈し反応を停止させました。回収液を用いてVero E6細胞に感染させ、ウイルス感染価(PFU/mL)をプラーク法にて測定しました。試験は各3回実施しました。尚、②「細胞毒性確認試験」及び、③「ウイルスへの細胞の感受性確認試験」についても実施しました。 |
試験ウイルス | 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) |
試験品 | クロラス酸溶液(バルサンプラス クロラスバリアシート用スプレーと同等のクロラス酸含有量で調製) コントロールとしてPBS(リン酸緩衝生理食塩水)を使用 |
結果
感染価の測定 | クロラス酸を1.28 x 10⁷ PFU/ml の新型コロナウイルスに接触させると、30 秒で検出限界の1.00 x 10² PFU/ml 未満(減少率>99.999%)へと感染価が減少し、クロラス酸による新型コロナウイルスに対しての不活化効果が認められました。※グラフ1.表2、表3 参照 |
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細胞毒性確認試験 | 細胞毒性は確認されませんでした。 表4 |
ウイルスへの細胞の感受性確認試験 | ウイルスへの細胞の感受性の低下も認められませんでした。表4 |
まとめ
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本試験で使用したクロラス酸は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に接触させることにより速やかに不活化することが判明しました。実使用においては、クロラス酸溶液による拭き取り清掃を行うことにより、物質の表面についた新型コロナウイルスによる接触感染防止に有効である可能性が考えられました。
- 【抗ウイルス成分「クロラス酸」について】
- 「クロラス酸」は、ウイルスや菌、におい成分を酸化し、ウイルスの除去や除菌・消臭効果を発揮します。アルコールでは効きにくいノロウイルスや、熱や乾燥への抵抗力が強く食中毒の原因となる病原性微生物など幅広いウイルス・細菌に効き、低腐食、低臭気、低刺激という優れた特長があります。また水分の影響を受けやすいアルコールや、汚れと反応して失活しやすい次亜塩素酸ナトリウムと異なり、台所やトイレなど、水周りや汚れやすい場所でも効果を発揮します。手肌に優しい弱酸性です。使用後は自然に分解され残存しない環境に優しい成分です。なお、クロラス酸を主たる原料とする亜塩素酸水は食品添加物として厚生労働省から認可されています。
<参考資料>
クロラス酸の特長
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- ①幅広いウイルス・細菌に効く:
- クロラス酸は、ウイルスや細菌、におい成分を酸化し、ウイルス除去・除菌や消臭効果を発揮します。アルコールとは作用機作が違うため、アルコールでは効きにくいノロウイルスや、熱や乾燥、薬品に抵抗性のある芽胞菌にまで幅広く効きます。
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- ②水や汚れに強い:
- クロラス酸は、水分の影響を受けやすいアルコールや有機物(汚れ)と反応して失活しやすい次亜塩素酸ナトリウムとは異なり、台所やトイレなど、水周りや汚れやすい場所でも効果を発揮します。
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- ③食品衛生のプロも使っている:
- クロラス酸は、食品添加物として厚生労働省から認められている亜塩素酸水の主たる成分です。有効性や安全性が確認されているため、食品工場などにおいて、食品類はもちろん、調理器具や作業者への殺菌料として使用用途が広がっています。
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- ④手肌に優しい:
- クロラス酸は、適切な濃度において各種の安全性試験で問題ないことが確認されています。また、アルコールのような肌乾燥が生じにくく、次亜塩素酸ナトリウム製剤のようなヌメリもありません。手肌に優しい弱酸性で効果を発揮し、使い心地も優しいです。
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- ⑤使いやすい:
- クロラス酸は水性のため、台所などで使用する場合も引火による火災リスクを気にせずに使うことができます。また、ニオイもほとんど気になりません。
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- ⑥環境に優しい:
- 使用後は徐々に分解されますので、いつまでも生活空間に残存する心配はありません。自然環境中に排出されても残存しないため、生態系を守ることができます。