新型コロナウイルスはエンベロープウイルス。その特徴は?エンベロープウイルスに有効な成分とは?

ウイルスの種類によって、効果的な成分が異なることをご存知でしょうか。ウイルスにはエンベロープ型とノンエンベロープ型の二種類があります。新型コロナウイルスはエンベロープウイルスですが、ノロウイルスはノンエンベロープウイルスになります。

「…何が違うの?」

ちょっと難しいように感じるかもしれませんが、成分により、それぞれのウイルスに対する効果が異なります。まずはしっかりとウイルスの特徴を把握し、正しい対策を講じましょう。

今回は、ウイルスの種類とそれぞれに効果のある除菌剤、そしてそれらを使用する際の注意点や使用方法について解説します。

ウイルスと細菌の違いとは?

ウイルスと細菌の違い
感染症の原因となる病原体の代表的なものがウイルスと細菌ですが、この二つには大きさや構造はもちろん、発症までの経緯にも大きな違いがあります。

ウイルスとは

ウイルスは、宿主の細胞がないと増殖できません。そのため、他の生物の細胞に寄生し、宿主細胞が増殖するために使う材料を横取りして複製します。やがて大量のウイルスにより宿主細胞が死滅し、細胞外に出たウイルスが他の細胞に寄生してさらに増殖していくのです。

主なウイルスによる感染症:新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルスなど

細菌とは

細菌は、細胞構造を有しているので、適度な栄養分と水分がある環境であれば、細胞分裂を繰り返して増殖します。ただ、細菌には悪いものばかりでなく、ビフィズス菌などヒトの体の中で健康を維持する細菌や、病原性を示さない常在菌も存在します。

細菌による感染症には、細菌の発育を阻害する抗生物質(抗菌剤・抗生剤)が有効ですが、近年この抗生物質による薬剤耐性菌(抗菌剤や抗生剤が効かない菌)が増えており、問題視されています。

主な細菌による感染症:O−157、MRSA、結核、コレラや赤痢など

感染症の対策には、まずは正しい知識を身につけた上で感染をしないよう日常生活において予防する事が大切です。

感染症の原因となるウイルスと細菌の違いとは? 肝心なのは予防対策

ウイルスの構造「エンベロープ」とは?

エンベロープウイルス 構造
ウイルスは構造上の特徴からエンベロープウイルスとノンエンベロープウイルスの2つのタイプに分けられます。この違いにより、ウイルスの不活化には大きな差が生じますので、違いを理解することがより効果的な対策につながります。

ウイルス粒子は、芯の部分にある核酸(DNAまたはRNA)をカプシドというタンパク質の殻が取り囲む基本構造で成り立っています。ここまではすべてのウイルスに共通していますが、その外側に「エンベロープ」と呼ばれる脂質膜を持つ“エンベロープ型”と、膜を持たない“ノンエンベロープ型”に分かれます。

新型コロナウイルスはエンベロープウイルス

エンベロープウイルスで一般的に馴染み深いウイルスはインフルエンザウイルス、そして新型コロナウイルスです。SARSやMERSもエンベロープ型です。
ノンエンベロープウイルスの代表的なものにはノロウイルスが挙げられ、アデノウイルス、いわゆるプール熱や手足口病もノンエンベロープ型です。

ウイルスを不活性化するために効果的な成分は?


一般的にエンベロープ型に比べるとノンエンベロープウイルスは消毒剤に対する抵抗性が強いことが知られています。エンベロープウイルスは“エンベロープ”である脂質二重膜がダメージを受けると死んでしまいますが、ノンエンベロープウイルスはエンベロープのような弱点がないばかりか、凍結や乾燥に強く、酸やエタノール、加熱処理でも感染性がなかなかなくなりません。熱で殺菌する場合は85℃〜90℃で90秒以上加熱する必要があるといわれています。

つまりエンベロープウイルスはノンエンベロープウイルスと比べると、対処しやすいウイルスなのです。石鹸などの界面活性剤、アルコール、次亜塩素酸、亜塩素酸(クロラス酸)でもエンベロープが壊れます。

ノンエンベロープウイルスの不活化については、代替ノロウイルスを使った不活化効果確認試験の結果、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水、亜塩素酸水でその効果が認められました(国立医薬品食品衛生研究所食品衛生部による平成27年度調査報告書)。

特に汚れの多い条件を加えた場合、不活化効果が認められのは亜塩素酸(クロラス酸)を主たる成分とする「亜塩素酸水」だけでした。

アルコールの特徴と効果

アルコールはタンパク質や脂質を変性させることでウイルスを不活化しますので、タンパク質や脂質で構成されているエンベロープを持つウイルス、すなわちインフルエンザウイルスやコロナウイルスに効果を発揮します。その一方で、エンベロープを持たないノロウイルスなどには効きにくいのです。

次亜塩素酸の特徴と効果

次亜塩素酸には、次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水があります。この二つにも大きな違いがあります。

・次亜塩素酸ナトリウム

次亜塩素酸ナトリウムは、いわゆるハイター、ブリーチなどの漂白剤として知られる強アルカリ性の液体です。細菌類、真菌類、ウイルスなど広範囲の病原体を殺菌することができます。ただし、非常に強いアルカリ性で金属腐食性があり、皮膚や粘膜にダメージを与えるため手指への使用には向いていません。その取り扱いには十分注意が必要です。

※金属腐食:金属が化学・生物学的作用により錆びたり形が崩れること

・次亜塩素酸水

次亜塩素酸水は食品加工工場などで使用されている酸性電解水で、安全性と殺菌活性が高く、低濃度(10〜80ppm)で、さまざまな細菌類、真菌類、ウイルスを除菌できます。ただし、有機物(汚れ)があると効果が著しく減退するので、汚れをあらかじめ除去してから使用することがとても重要です。

ウイルス除去・除菌剤を使用する際の注意と「クロラス酸」のススメ

クロラス酸とは
新型コロナウイルスに対する感染対策には、消毒剤としてエタノール(アルコール)が広く利用されていますが、エタノールの供給が困難になったとき、その代替品として次亜塩素酸水が使われはじめました。

しかし一部の製品は未認可であったり、高濃度であったり、次亜塩素酸ナトリウムを希釈したものから作られるなど、安全性に問題があるものも含まれています。間違った使用法で健康被害を起こさないためにも、成分や使い方を正しく知る必要があります。

アルコールを使用するときの注意点

アルコールは一般的に最も使いやすい殺菌消毒剤ではありますが、その欠点はノンエンベロープウイルスに効きにくい点、そして濃度が下がると効力が低下してしまう点です。50%より低い濃度では、極端に効力が失われてしまいます。

たとえば99%の消毒用アルコールを1〜2ml噴霧したとしても、そこに1〜2mlの水滴があれば、それだけでアルコールの濃度は50%以下になります。テーブルを除菌したい場合には、水分をしっかりとふき取って使用することが重要です。またアレルギーのある人にも注意が必要です。

さらに、アルコールは革素材やニスを塗ってコーティングしているものに対しタンパク変性を起こし、変色する恐れがあります。またご存知の通り、アルコールは引火しやすい成分です。キッチン周りでの使用は注意しましょう。

次亜塩素酸ナトリウムを使用するときの注意点

次亜塩素酸ナトリウムはタンパク質や脂質を変性させるため、手指の消毒には使いにくいことはお伝えしましたが、それに加えて酸性の物質と混ぜると有毒なガスを発生します。家庭用の洗剤には酸性のものもあるため、その扱いには十分な注意が必要です。ご自宅で消毒のために使用する際には十分な換気を行い、手袋やマスクを使用し、目に入らないよう十分注意して取り扱いください。

また、金属腐食が激しい点や、ご自身で漂白剤を薄めて作った場合は、保存方法や使用期間にも注意が必要です。

次亜塩素酸水を使用するときの注意点

厨房や調理施設、食品加工工場など、広くて大きな場所、水を多く使う場所でのウイルス除去・除菌に適しているのが次亜塩素酸水です。正規の生成装置(2017年にJIS規格:JISB -8701が制定されている)で、規定の濃度範囲の次亜塩素酸水を生成すれば水道水のようにかけ流して使用することができます。

現在、次亜塩素酸水として認可されているものは「強酸性(pH2.7以下)」、「弱酸性(pH2.7〜5.0)」、「微酸性(pH5.0〜6.5)」の3種類です。これ以外は「擬似次亜塩素酸水」ですので、使用するときには表示をよく読んでください。なお、あらかじめ汚れを除去してからの使用が原則となります。

亜塩素酸水(クロラス酸)を勧める理由

亜塩素酸水(クロラス酸)はエンベロープウイルスやアルコールでは効きにくいノンエンベロープウイルス、熱や乾燥、薬品に抵抗性のある芽胞菌にまで幅広く効果を発揮し、最近では新型コロナウイルスに対しての不活化効果も確認できました。しかも食品添加物殺菌料として厚生労働省からの承認をうけており、手肌にも優しい弱酸性なので安心して使用できます。

クロラス酸による新型コロナウイルスの不活化が確認できました


また汚れた環境下でも効力を発揮し、どんな場所にでも使用できる特徴を持っています。水分が多く汚れも多いトイレや洗面所、浴室や台所等に使用するのに適しています。人体への影響もなく、手肌に優しい弱酸性で、使用後は自然と分解され残存しないため、環境に優しいという長所もあります。

以上のように、それぞれの長所と短所を十分に理解した上で、目的に応じたものを選び使用することこそが肝心です。

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感染症はさまざまなウイルスや細菌などの病原体によって起こりますが、その構造によって対策も変わってきます。現在発売されている除菌剤にも、いろいろな違いがあります。

バルサンでは、感染症を予防するための研究を重ね、さまざまな商品を開発してきました。ウイルスの除去・除菌には、クラロス酸配合の「バルサンプラス クロラスバリアシリーズ」がおすすめです。

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レック株式会社

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