マダニはどこに潜んでる? 外出時の対策や感染症のリスクについて解説
だんだんと暖かくなり、子どもとの外遊びも心地よい季節になってきました。バーベキューやハイキングなど屋外でのレジャーも楽しみですね。
そこで心配になるのが、害虫の存在…。中には感染症を媒介する恐ろしい害虫も潜んでいます。
蚊やハチなどの害虫対策を意識される方は多いかと思いますが、今回は最悪の場合死に至る恐ろしい感染症「SFTS」を媒介するマダニについて、その生態や対処方法をご説明します。
マダニはどんな虫? 生態と潜む場所
まずはマダニに関する基本情報です。
マダニは吸血性の害虫で、主な栄養源は人間など哺乳類や爬虫類、鳥類などの血液です。幼ダニ期から若ダニ期にかけて2度の脱皮を経て成長し、成ダニ期を迎えます。多くのマダニは、発育期ごとに異なる動物へ寄生し、吸血します。
一生の中で吸血する期間は20~25日間ほどで、その他の期間は脱皮や産卵、動物へ寄生する機会を待ちながら自然環境の中で生活しています。数ヶ月から数年は何も食べずに生きることができる、飢餓に非常に強い害虫です。
マダニの多くは、春から秋(3月~11月)にかけて、活動が活発になります。中には、冬季に活動する種類もいます。
屋内で発生するダニとの違いは?
マダニは、屋内に潜む「屋内塵性ダニ類」とは別の種類のものです。屋内塵性ダニ類と呼ばれるダニの中でも、8~9割がチリダニ科のダニに分類されます。
チリダニが0.2~0.4mm程度なのに対して、マダニは2~3mmと大きく、肉眼でも確認できます。マダニは吸血した状態では100倍以上の体重にもなります。チリダニは死骸や糞がアレルギーの原因になる以外には病原体を運ぶことはほとんどありませんが、マダニはさまざまな病原体を運ぶ可能性がある恐ろしいダニです。
マダニ | チリダニ | |
---|---|---|
大きさ | 2~3mm | 0.2~0.4mm |
活動時期 | 主に3~11月 | 1年中 |
吸血 | する | しない |
リスク | さまざまな感染症の原因になる | アレルギーの原因になる |
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ここに注意! マダニが潜む場所
屋内のチリダニが、カーペット、布団、ソファー、ベッド、畳などに潜んでいる一方で、マダニは主に屋外に生息しています。
国内でマダニが生息する地域は徐々に広がっており、山や草地のみならず、公園・河川敷・庭など身近な場所での生息も確認されています。屋外で寄生されたり、ペットに付いたりして家に持ち帰ってしまうこともありますので、注意が必要です。
マダニの脅威は感染症「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」
ここでは、マダニが運んでくる感染症について説明します。マダニに刺されると、日本紅斑熱やライム病など、さまざまな感染症を発症する危険性があります。中でも、「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」は、特に問題になっています。日本全国でこのウイルスを保有したマダニが確認されており、国内で広く分布していると考えられています。
SFTSウイルスを持ったマダニに刺された場合、潜伏期間は6日~2週間程度です。発症した場合の主な症状は、38度以上の発熱、嘔吐、下痢、食欲低下、腹痛。現時点では有効な薬剤やワクチンがなく、致死率は6~30%と言われています。
多くの場合、SFTSはウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染しますが、感染患者や感染した動物との血液・体液との接触感染も報告されています。
マダニに刺された時の対処法
次に、マダニに刺された時の対処法について紹介します。
吸血しているマダニを発見した場合、無理に取ろうとしたり、つぶしたりすることは危険です。マダニの口が皮膚の中に残り化膿したり、マダニの体液中の病原体が体内に逆流し、感染症を引き起こしたりする危険性があります。
マダニに刺された場合、速やかに皮膚科等の医療機関でマダニの除去や消毒など適切な処置を受けてください。その際、刺された場所や日時、状況などを医師に正確に伝えましょう。
マダニ対策を徹底しましょう
マダニに対しては、刺されないための対策を講じることが最も重要です。ここでは、その方法を紹介します。
服装に注意「長袖・長ズボンの着用」
山や公園・河川敷など、マダニが生息している可能性がある場所に行く際には、長袖・長ズボンを着用するなど、肌の露出をできる限り抑えましょう。サンダルではなく足を覆う靴を選んでください。明るい服を着てマダニの付着を分かりやすくすることも有効です。着用した上着や作業着は屋内に持ち込まないようにしましょう。
家に帰ったらチェック
家に帰ったら、自分自身や子どもの服、皮膚をよく点検することが重要です。ペットとの散歩帰りには、ペットに付着していないかもチェックする必要があります。上着や作業着は外で脱ぎ、たたいて払ったり、付着したマダニは直接触らずにガムテープ等で取り除きましょう。
ネズミにも注意!?
屋内でネズミを見かけたら注意が必要です。マダニはネズミに寄生して、屋内に侵入することがあります。そもそもネズミはさまざまな病原菌の温床でもあり、しっかりと駆除しておく必要があります。
虫除け剤は適切なものを
マダニに効果がある虫除け成分には、「ディート」と「イカリジン」があります。
ディートは従来から使用されてきたもので、イカリジンに比べより多くの害虫に効果が認められています。ただし、虫除け剤独特のニオイが気になったり、子どもへの使用制限があるため、取り扱いには注意しましょう。
イカリジンは、日本では2015年に初めて使用が承認された、新しい虫よけ成分です。皮膚刺激が少なく使用回数や年齢に制限がないため、小さい子どもから大人まで使うことができ、塗り直しができます。マダニをはじめ、蚊・ブヨ・アブなどに効果を発揮します。
熱帯地域への海外旅行など、より幅広い害虫を対象とする場合はディートが効果的ですが、子どもとの外遊びなど日常的に使う場合はイカリジンをおすすめします。用途に応じて使い分けましょう。
マダニ対策に「スキンバルサン」!!
今回はマダニについて、生態や感染症の脅威、対処方法や予防方法をご説明しました。
マダニ対策には、小さい子どもにも使える有効成分イカリジンを使用した「スキンバルサン」シリーズのガードミストウォーターがおすすめです。
暖かい季節がもうすぐやってきて、子どもたちと外で遊ぶ機会も増えてきます。同時に、マダニなどの危険な害虫も活発化します。害虫対策をしっかりと講じて、家族の健康で快適な暮らしを守りましょう。
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